昨年よりアメリカのNBCで放送されている、最新超大型サスペンスドラマ『ブラックリスト』
人気、視聴者数共にトップレベルの成功を収めている。
現在はすでに、本国でシーズン2の制作と放送が開始、
日本ではシーズン1の再放送中、来年にはシーズン2が放送開始される。
という事で、自分は再放送のシーズン1を通しで視聴したのだが、面白い!これはもうハマりました。
その気持ちは第1話を見ている時点で確定した。
テレビドラマ形式なのにもかかわらず、映画のような画作り、ディテールへのこだわりに圧倒される。
その映画並みのスケールで描かれた内容もすごい。
最重要指名手配犯「レディントン」が突然FBIに出頭する場面から本作は始まる。この時点でレディントンは自首した形で拘束される立場なのだが、自らが尚自由でいられる条件をFBIにつきつけた。
レディントンは、FBIもその存在すら知らなかった凶悪犯罪者たちをリストアップし、FBIの捜査に協力すると言い出す。そして、その協力の条件として直接話をするのは捜査官「エリザベス」だけだと謎の指名。その後、エリザベスに次々と凶悪犯を逮捕させていくという展開。
犯罪者のドンが物語の冒頭からFBIに仲間入りするという今までにない驚愕の設定だ!
レディントンの目的とは何なのか?エリザベスを指名した理由は?
根本的には心理サスペンスドラマであるものの、
回毎に登場する凶悪犯のキャラクターとそのシチュエーションの世界観が半端ない。
時には、サイコ殺人鬼のホラー作品になり、時には中国人スパイとの刑事ドラマのような駆け引き、時には化学兵器テロリストとの壮大なアクションシーンが繰り広げられ、
各シチュエーションそれぞれが、一つ一つの大作映画のように描かれている。
これは、お金かかりますねえ、毎回、使いまわしている感を全く感じさせないし、本当に使いまわし無しの贅沢極まりない連続ドラマと言えよう!
この調子で、放送が継続できるのか観てる方が余計な心配をするほど。
もっとも、昨今の海外ドラマ業界も激しい競争下にあり、
局サイドも視聴率が悪ければ、即放送を中止するという傾向にある。
いきなり、ぶつ切り状態で打ち切りになる番組も多々ある中で、
この「ブラックリスト」、実は、第2話が放映された段階で、その人気と作品の出来映えからシーズン1(全22話)の放送を決め、さらにシーズン2の制作までも昨年のうちに決定されていたという、
放送局の異常なまでの熱の入れようも含め、異例のヒット作なのである。
本作の主役であるレディントン役のジェームススペイダーは、映画誌のインタビューでこんなことを言っている。
「TVドラマ界は劇的に変わっている。この番組は、TVという感覚でなく、1件のお店を開くような感覚。まずいものを出せば、その客は2度と来ない」
と、このように出演者が言っているくらいだから、制作現場は、物凄くクリエイティブな世界が繰り広げられているのだろう。
しかしながら、テレビドラマという制作条件の中で、いくらお金を投資したからといってあれだけのクオリティのものを毎回作る労力は計り知れないものがある。
もっとも、アメリカのテレビ局でもスタッフが廊下で雑魚寝をしているのは間違いないだろうが?
実際、どういう状況で制作しているのか、一度は見学してみたいところだ。
さらに興味深いことに、本作は、高視聴率の上、録画視聴率の記録も更新しているという。
例えば第1話では1820万人の視聴者数を記録したが、そのうち約30%が
録画視聴で、そのシーズンに放送されたドラマではこれまたトップ記録。
テレビドラマとは言え、じっくり見たいドラマという評価の現れだろうか。
現在まで22話を観終ったのだが、
とにかく、1話毎に違った作品を観ているかのような錯覚に陥る娯楽度の高さと
エピソードが進むにつれ、次第に見え隠れする謎解きの寸止め感、しかり、
緩急の効いたセリフ回し、ストーリー展開のテンポ、どれをとっても、お手上げ状態でおススメ作であったため、 興奮冷めやらぬうちに、レビューを当ブログに書きなぐってしまいました。
来年上映のシーズン2が待ち遠しい。