『卒園おめでとう』

世の中には様々な映像がありますが、

私藤川は、個人的に幼稚園などの記録映像もお仕事にさせていただいています。

先日は、私が昔から馴染みのある幼稚園にて記録撮影をしてきました。

もうすぐ桜が咲き始めるかといった季節、今回の題材は、卒園生の「お別れ会」です。

「お別れ会」の内容は、保護者の方が主催で、手作りの演劇やショーを演出し、先生方と子供達に披露するというもの。

今回のメインコンテンツはパネルシアターで、子供達の幼稚園での思い出をストーリー仕立てで進行するもの。
パネルに張り出すイラストもプロ顔まけに凝っていて、おそらく時間をかけて準備してきたんだろうなと思わせる素晴らしいクオリティでした。

最後に子供達が書いた自分の似顔絵が、一枚一枚貼られていき、ナレーター役の方が子ども達の名前を都度呼んでいく演出。

幼稚園で過ごした3年間が走馬灯のようによみがえる瞬間で、

先生も、お母さん達も涙がとまりません。

そして、自分は直接関係ないのにもかかわらず、感情移入してしまい、涙があふれそうになったほどです。

今回の撮影は、1つは手持ち、他2つはリモコンで操作するシステムにしていて、一人で3カメ。泣いている暇は毛頭ないのですが、、、

※ちなみにこういったイベントの記録撮影は、ほぼ参加者全員が映り込んでいないとならない事情もあり、カメラマンが一人だろうが、3カメ以上は必要なんです。

自分の苦労はさておき、こらえていた涙腺を崩壊させるコーナーがやってきます。

先生達からのメッセージコーナーで、担任の先生が泣きながらこんなお話をしてくださいました。

「もう幼稚園に来たくないです。あと数日でみんなに逢えなくなると思うと、それが辛くて出勤したくないんです。」「お願い、卒園しないで~って」

「で、そんな事を子供達に先日話したら、こんな事言う子がいるんです。

園児『先生、泣かないで。大丈夫だよ、卒園してもたまには遊びに来るからね』って。

「そんなふうに子供達になぐさめられて・・グスングスン」

先生、気持ちはよくわかるんですけど、

こういう話はイカンよ、カメラがふるえとるじゃないか!

とにかく現場は、涙腺崩壊ムードなので、必至です。

 

幼児の子供って、ものすごい純粋で元気なんですよね。

当然、ドストレートに発言するし、本当に走り回っているし。

だから、NG カットも実は多いんです。なるべく、自然な姿を残したまま仕上げる方なのですが、これはさすがに残さない方がいいだろうと思うNGワードもあったりします。

でもそれが子供じゃないですか、「ウ〇コ!!」とか叫んでる方が、活き活きしてていいですよね。先生に抱っこをせがむ子、まだそんな年齢じゃないですか。

泣きながらお話していた先生の話、子供に信頼されてるなあって思いました。

この園の教育方針というか雰囲気は、ものすごく自由で、勉強というより遊ぶ事を重視していると思います。で、間違えていたらしっかりと怒るのはあたりまえですが、先生達と触れ合う、肌でコミュニケーションをとる時間が多いような気がします。

そういった1年間で、先生もそれぞれの園児の特徴や成長度を理解しながら、それぞれの子に丁寧に話をしているようです。目の前に居る相手の事、お友達の事を気遣う、優しくしてあげる、当たり前の事のようで、なかなかできなかったりしますよね。

感性や感受性を育んでいく、見守っていく。それが、この年齢の子供たちにすべく教育なんだなあと改めて思った次第です。

そんな日々の成果が、この先生に対する子供の名言だったと信じてやみません。

というような感動のおすそ分けをいただくお仕事で、こちらも幸せな気分でした。

卒園生達へ「情が深い、良い先生に恵まれて良かったなあ、本当に、卒園おめでとう!!」